ビルトインは造り付けとも呼ばれる、建物の壁や天井に設備を組み込んだ方式です。設備を建物と一体化させることで強度を増す他、部屋を広く見せる効果があります。業務用エアコンは出力が強い分、サイズが大型の物が多いのでそのまま置くと圧迫感が生じます。特に天井から吊り下げるタイプの業務用エアコンは圧迫感が強く、広い部屋でも非常に狭く見えてしまうことは珍しくありません。
その点、ビルトイン式なら大型の機器が壁や天井に隠れる形になるのですっきりした感じになります。小さい部屋でもビルトイン式なら場所を取らないので狭く感じる不具合はありません。機器がむき出しになっていると埃が積もるなど衛生面での問題も生じますが、壁や天井の内部に隠れていればそのようなこともないので清潔な状態を維持できると言えるでしょう。業務用エアコンは使用環境にもよりますが、耐用年数が約10年から15年ほどとされています。
年月の経過と共に速やかな交換が望まれますが、建物と一体化させたビルトイン式の機器は交換が容易ではありません。むき出しになっているタイプは単に機器を交換するだけで済みますが、ビルトイン式は周囲の壁や天井を解体するリフォーム工事が必要になります。手間と費用が余計にかかる形になることから、一般的な業務用エアコンよりもコストが嵩むと言えるでしょう。外観のよさと維持コストを照らし合わせ、長期的な視野で導入の可否を判断する姿勢が求められます。